研磨加工の種類
このページでは、研磨加工の種類について解説します。
TDCで行っている研磨加工については、『研磨加工』ページも合わせてご参照ください。
Contents
機械で行われる研磨加工の種類
精度が求められる研磨加工は、材質やその精度によってさまざまな種類の加工方法が存在します。
専門の機械を用いて行われる代表的な研磨加工方法が以下の5つになります。
ラッピング研磨
ラッピング研磨とは、ラップ盤と呼ばれる平面台の上に対象物を置き、上から力を加えることで研磨剤に含まれる砥粒と加工物を擦り合わせて研磨を行う方法です。
ラッピング研磨は精密な平面加工が可能なため、平面レンズ製造や金型、精密治具、刃物など平面性が重要となる加工物に適した研磨方法となります。
液体研磨剤を流し入れる「湿式法」とラップ盤に砥粒が埋め込まれている「乾式法」があり、いずれも平滑化効果が高くきれいな仕上げ面を得ることができます。
砥石研磨
砥石研磨とは、砥石(といし)を高速回転させ加工対象物に接触させることで表面を削る研磨方法で、「研磨」と呼ばれていますが厳密には「研削」という技術となります。
砥石はひとつひとつが刃となる小さな砥粒と結合剤によって形成され、中には気孔が存在していることで切り屑の排出や冷却が行われる仕組みとなっています。
高速で回転している砥石の上では、砥粒が加工物を削りながら入れ替わるため、継続した研削を行うことができます。
バレル研磨
バレル研磨とは、研磨機器の槽と呼ばれる研磨容器のなかに加工対象物や研磨石、「コンパウンド」という研磨剤と水を入れ、研磨機を回転・振動させることで表面を削る研磨方法となります。
一度にまとめて研磨加工が行えるのが特徴で、自動車や電⼦機器における精度を必要としない部品などを磨くのに適した研磨方法となります。
加工後に生じるトゲを滑らかに仕上げる作業である「バリ取り」にも用いられ、ひとつひとつ丁寧に仕上げるというよりは、一度に早く研磨を行いたい場合に適していると言えます。
バフ研磨
バフ研磨は、綿やウール、フェルト、スポンジといった素材で作られた「バフ」を用いて研磨する方法となります。
バフに研磨剤を付け回転させて、対象物の表面を磨きます。バフ研磨は、主につや出し・鏡面仕上げなどの表面を美しく仕上げる場合に用いられます。仕上げの要望によってはバフの素材や研磨剤を使い分ける場合もあります。
バフ研磨はツヤを出したい製品に適し、機械を使うため硬い素材でも研磨をすることができます。
電解研磨
電解研磨とは、電解研磨溶液という電気が流れる液体の中に電流を流し研磨を行う方法となります。
削るのではなく、加工品の表面を溶かすことで滑らかにする研磨方法となるため、他の研磨方法では対応が難しい場合に適していると言えます。
ステンレスやアルミニウム素材に向いていますが対応できる金属が限られている点やコストがかかるというデメリットもあります。
身近な生活にもみられる手動の研磨加工
研磨加工というと、これまでに紹介したような工場や専用の機械・機具を利用した加工をイメージされるかと思います。
もちろん精密さが要求される場合は加工においては誤りはありませんが、研磨は実はみなさんの生活の周りに存在します。
ここでは、みなさんの生活にも存在する身近な研磨加工を解説します。
砥石研磨(手作業)
「包丁の切れ味が悪い」というときに、使用する砥石。これも立派な研磨のひとつです。砥石の上で刃を滑らせることで、古くなったり切れ味が悪い刃物をよみがえらせる研磨技術となります。
精度は求められないことが一般的ですが、加工品に合わせて使用する砥石や研ぎ方が変わります。
紙やすりを使った研磨
DIYや工作などを行う方にとっては身近な紙やすり。サンドペーパーとも呼ばれ、これも身近な研磨方法のひとつです。
サンドペーパーは研磨剤の粗さによって番号がつけられ、100番未満はとても粗く、400番以上など数が大きくなればより細かくなります。
レンズ研磨
専門業者が行うことが一般的ですが、カメラや顕微鏡のレンズも最終工程では手動で仕上げの研磨が行われる身近な研磨加工のひとつです。
ダイヤモンドの研磨皿を用い、回転する作業台の上で最終的な形を整えます。研磨後には、拡大鏡を使用して人の目で仕上がりを確認します。
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株式会社ティ・ディ・シーでは、さまざまな加工における独自の技術開発とノウハウを蓄積しており、あらゆる表面粗さへの加工対応・相談が可能です。
お客様の求めるあらゆる精密加工にも対応いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
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TDCのより詳しい研磨加工についての解説は、『研磨加工』ページをご参照ください。
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