tungsten-01

タングステンとは?| タングステンの特徴・加工事例

このページでは、加工材料のひとつであるタングステンの特徴や用途、TDCにおけるタングステンの加工について解説をします。

TDCの超精密加工について、下記内容を記載したPDFカタログをダウンロードいただけます。
●表面粗さRa1nmを実現する超精密鏡面加工
●自社開発技術(高精度鏡面ロール・超精密鏡面金属箔・スペーサー/シムなど)
あわせてご覧くださいませ。
>TDCカタログ”>>>TDCカタログ

タングステンとは

タングステンとは、銀灰色の外観をしたレアメタルの一種です。

スウェーデン語で「重い石」の意味を有しており、その意味の通り重量は鉄のおよそ2.5倍、鉛の1.7倍で、金と同程度の重さがあります。
タングステンの元素記号「W」は、ドイツ語名のWolfram(ヴォルフラム)が由来です。

タングステン

金属のなかでもっとも融点が高く熱膨張率が低いことから、高温環境下でも形状を維持しやすく、高温炉の部品に活用されるほどの耐熱性を備えています。

炭素と結合すると硬度が増すため、切削工具の材料としても採用されています。

タングステンの特徴・特性・性質

タングステンの主な特徴は、以下の4つが挙げられます。

  • 融点が高く熱に強い

タングステンの融点は3653Kで、金属単体でみるともっとも融点が高いほか、熱膨張率が低いことから、高温の環境下でも形状安定性に優れています。

  • 大きな電気抵抗を有する

タングステンは、ほかの金属に比べて大きな電気抵抗を有しています。熱に強い特徴もあることから、電球のフィラメントに使われることも多くあります。

  • 鉄や鉛に比べて重たい

タングステンの比重は19.3で、金と同程度の重さです。鉄の2.5倍、鉛の1.7倍の重量があります。

  • 放射線遮蔽能力が高い

タングステンは、鉛に比べて放射線遮蔽能力が非常に高いため、X線照射機器の遮蔽材などに活用されています。

  • 硬度が高い

タングステンは硬度が高く、炭素と組み合わせることで、より硬い材料となります。

タングステンの炭化物「タングステンカーバイド」と、コバルトを組み合わせた超硬合金は、ダイヤモンドに次ぐほどの硬さがあり、金属の切削工具として活用されています。一方で、硬い材料であることから加工が難しいのも特徴です。

タングステン(元素記号 W)の物理的性質

密度 (mg/m3) 293K:19.3
融点(K) 3653
沸点(K) 5800
電気抵抗率(10-8Ωm) 293K:5.4
比熱 (J/kgK) 273-373K:138
熱伝導率(W/mK) 273-373K:174
線膨張係数(10-6/K)

273-373K:4.5

293-2273K:5.4

タングステンとモリブデンとの違い

タングステンと似た性質をもつ材料として、モリブデンが挙げられます。タングステンとモリブデンはどちらもレアメタルに該当する材料で、高い融点や熱膨張性、比重などの性質が似ているほか、熱伝導効率のよさも近い特徴があります。

タングステンとモリブデンの違う点は、加工のしやすさと熱への耐性の強さです。

モリブデンのほうが加工性がよく、ステンレス相当の加工性を有しています。一方でタングステンは、硬度が非常に高いため加工が難しい材料です。

熱への耐性については、モリブデンのほうが融点や沸点が低いため、高温の場所で使う部品の材料にはタングステンを採用する場合が多くあります。

タングステンの用途

タングステンは、高い融点や電気抵抗、硬度などの特性を持つことから、工具、自動車、医療、照明などのさまざまな分野・業界で採用されています。

主な用途は以下の通りです。

  • 切削用工具
  • 抵抗溶接電極
  • TIG電極棒
  • 高温炉用耐熱構造部品
  • 釣り具用錘
  • バランスウエイト
  • 電球のフィラメント
  • 徹甲弾や砲弾の弾芯
  • 放射線遮蔽材
  • カテーテル治療器具

TDCにおけるタングステンの加工事例

TDCにおける代表的なタングステンの研磨加工事例をご紹介します。

その他材質についての加工実績は、下記ページよりご覧いただけます。
>>TDCの表面粗さ・面粗度実績

タングステンの研磨加工事例①:「スリットブレード」

  • サイズ:30×40程度
  • 仕様/精度:真直度0.2um ,平面度0.1um
  • 加工内容:スリットブレードの新規製作、修正研磨も承っております。ご希望の精度にて製作可能です。

タングステンの研磨加工事例②:「試験片・テストピース」

  • サイズ:ご希望のサイズにて
  • 仕様/精度:面粗さRa0.001、平面度0.001、平行度0.001など
  • 加工内容:ご希望のサイズ・形状・精度にて試験片やテストピースを製作します。材料から弊社で手配いたします。

タングステンの研磨加工事例③:「タングステン鏡面箔」

  • サイズ:50x50x0.05
  • 仕様/精度:厚み0.05→0.02へ薄化加工、鏡面仕上げ Ra1nm以下
  • 加工内容:枚葉サイズ~長尺まで箔の鏡面加工を承ります。

タングステンの研磨加工はTDCまでご相談ください

タングステンは熱に強く、非常に硬い材料のため、切削工具の用途で多く使われています。

TDCでは、材質に応じた加工ノウハウと、これまで蓄積された加工技術により、難削材であるタングステンの加工にも対応が可能です。

他社で断られたタングステンの加工案件も、ぜひ一度TDCにご相談ください。

どんな素材も研磨します。まずはご相談ください。
材料のご提案・調達 / 試験片製作 / 難削材 / 1点~量産 すべて可能です。

お電話でのご依頼・お問い合わせ

電話受付:平日8時30分~17時20分

Webからのご依頼・お問い合わせ

関連ページ

大学・研究機関の方必見 テストピースのご相談