ラップ・ラッピング研磨加工

ラップ・ラッピング研磨加工

ラップ研磨・ラッピング研磨に関する基礎的な知識、TDC(ティ・ディ・シー)のラッピング研磨の加工事例をご紹介します。

TDCで行っている研磨加工については、『研磨加工』ページも合わせてご参照ください。

TDCの超精密加工について、下記内容を記載したPDFカタログをダウンロードいただけます。
●表面粗さRa1nmを実現する超精密鏡面加工
●自社開発技術(高精度鏡面ロール・超精密鏡面金属箔・スペーサー/シムなど)
あわせてご覧くださいませ。
>>TDCカタログ

ラップ研磨・ラッピング研磨とは

ラップ盤と呼ばれる平坦な円盤状の台に、製品を載せて液体上の研磨剤を流し込み、上下から圧力をかけて研磨していく加工方法のことを指します。

求められる精度や仕上がりによって、湿式ラッピング・乾式ラッピングなどが使い分けられます。

加工用途は、半導体素子製造の材料であるウェハーやカメラや顕微鏡のレンズなどが一般的なほか、表面を研磨する必要がある部品や加工品に用いられることが多いです。

また、砥粒の選定と加工条件の調整によって高精度が実現可能なため、製品加工における仕上げとしてラップ研磨が採用されることが多くあります。

TDCのラップ研磨・ラッピング研磨の事例

マイクロキューブ

マイクロキューブ

各辺の長さが50μm、100μm、150μmとかろうじて目視できる大変小さな立方体を作りました。砂のような小さなサイズのマイクロキューブは一面ずつ丁寧にラップ加工することで作られています。
ある装置にチリやホコリの様なコンタミネーションが入った際にどのような影響がでるか調べるために正確にサイズ・形が管理されたマイクロキューブを使って実験・調査がされました。いわばとても精密なゴミの代わりに使われた、ということになりますね。

エッジが綺麗に仕上がっており、TDCの技術を網羅した製品のひとつといえます。
一般的な切削・研削・研磨ではバリ、カケ、ダレなどの課題が考えられますが、TDCの技術ではバリ、カケ、ダレのないシャープなエッジ、±1μm以下の寸法公差、平滑面などの難しい条件を同時に実現可能です。
あまりに小さすぎるため、開封時に飛んで行って紛失しないよう、梱包にも細心の注意を払いました。

中凸仕上げ

加工装置であるラップ盤、ポリシング盤は、定盤調整により、平面、凸面、凹面など任意に作り分けることが可能です。TDCではこの装置に加えて、加工途中に頻繁に精度確認を繰り返すことで、例えば中凸0.008㎜のご要求に対して、再現性良くご希望のスペックを低価格で実現することが可能です。

精度入れの難しい材質(モリブデン)の大サイズ加工

硬くて歪みやすい、ただでさえ精度入れが難しい材質であるモリブデン。この依頼では、さらには大きくて厚みが薄いという条件下の中でした。どうしても平面度がとても重要な用途でお困りの外国のお客様からのご依頼に対して、工程や方法を変えて何度もトライし、仕上がりに高評価なお声をいただきました。

上記のほか、材質・形状を問わず極小のμmサイズから□800mm程度までの大きさなど、あらゆる研磨による精密加工でも対応が可能となっています。

高精度なラップ・ラッピング研磨はTDCにご依頼ください

ここまでご紹介したラップ・ラッピング研磨の事例は、ほんの一部です。
ラップ・ラッピング研磨による超精密加工のご相談は、ぜひTDCまでお気軽にお問い合わせください。

どんな素材も研磨します。まずはご相談ください。
材料のご提案・調達 / 試験片製作 / 難削材 / 1点~量産 すべて可能です。

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ラップ研磨・ラッピング研磨の加工方法・加工原理

ラッピングは砥石をもちいる固定砥粒研磨と異なり、ラップ剤と呼ばれる砥粒と液体からなる懸濁液を使用する遊離砥粒方式です。

砥粒を固定する結合剤(ボンド)がないので、砥粒がそのまま製品の表面を直に削るため、製品に対して均一にそして安定して研磨することができます。このことから、超精密な加工が要求される半導体分野や光学分野で多く採用されています。

ですが、高品質を安定して出しやすいという利点の反面、厚みを落としたり形状を変える必要がある加工では加工時間がかかりすぎる点がデメリットと言えます。

ラップ剤とは

ラップ研磨・ラッピング研磨では、微量の潤滑油を加えた砥粒を「ラップ剤」として用います。ラップ剤には種類があり、用途にあわせて使用される素材が異なります。

ラップ剤として使用される主な素材

  • アルミナ…適度な硬度と靭性を備え、耐熱性も持ち合わせています。鉄鋼などの金属、樹脂やガラスなど幅広い素材の研磨に使用されます。
  • 炭化ケイ素…C砥粒と呼ばれ、主に非金属に分類されるアルミニウムや銅、超硬合金などに使用される砥粒となります。
  • ダイヤモンドスラリー…人工的に生成されたダイヤモンドを使用した砥粒です。超硬合金やセラミックスなどの加工に使われます。

「湿式ラッピング」と「乾式ラッピング」

ラップ加工は、大きく「湿式ラッピング」と「乾式ラッピング」の2種類に分けられます。

湿式と乾式では研磨に用いるラップ剤に加える工作液(石油や機械油といった潤滑油)の量に大きな差異があり、仕上げの目的や用途によって使い分けられます。

湿式ラッピング

ラップ剤に多量の工作液をまぜ、圧力を抑えた状態でラップ加工を行います。

加工量が大きくなることから、粗仕上げや中間仕上げの工程で選択されることが多く、表面は無光沢に仕上がります。

乾式ラッピング

ラップ盤の上に薄くラップ剤を敷き、その上を加工対象物が滑りながら高圧で加工をおこないます。

加工量が少ないことから、より精密な仕上げ工程で選択されることが多く、加工面は鏡面仕上がりとなります。

ラップ盤とは

ラップ盤とは、ラップ加工で使用されるNC工作機械のことを指します。

このラップ盤と加工対象物の双方を回転させ、圧力をかけつつ削ることで表面を滑らかに研磨していきます。

ラップ盤には片面、両面といった種類があり、一度に多くの量の加工を行いたい場合は両面ラップ盤が用いられます。

片面ラップ盤

片面のみ加工するラップ盤のことを指します。

両面ラップ盤

2台のラップで上下を挟み、両面を加工するラップ盤のことを指します。

ラップ研磨・ラッピング研磨のメリット

ラップ研磨・ラッピング研磨のメリットとしては、細かい研磨材を用いて小さな力で除去するので、加工対象物にストレスを与えず、所望の精度を実現することができます。平滑面が求められるものにもマッチしています。加工熱による歪みもあまり発生しない加工方法と言えます。

平滑面を作ることは、部品としては高精度組立を実現したり、光学特性の向上、摩擦特性の管理、防錆等の観点からも有効と言えます。

ラップ研磨・ラッピング研磨のデメリット

ラップ研磨・ラッピング研磨は、調整力や柔軟性に富んでおり、処理精度が高く出来栄えが良いというメリットがあります。

しかしその反面、加工の速度が遅いというのが、デメリットとしてあげられます。というのも、少しずつ砥粒を使用し均等に製品を加工していくため、どうしてもその処理に時間が掛かってしまうのです。

ポリッシング加工との違いは?

ラッピング加工とポリッシング加工との違いは、仕上げ工程の違いにあります。

前者は、数μm(マイクロメートル)以上の粗い砥粒や硬質工具(ラップ)により、能率的に求める形状に加工する方法。一方、後者は数μm(マイクロメートル)以下の微細砥粒、そしてフェルトやプラスチックなど軟質工具(ポリッシャ)を使用し、研削加工後の粗い表面を整えて、スムーズにすることを指します。

一般的に、最終工程の仕上げなどの磨き加工をポリッシングと呼ぶことが多くあります。

ポリッシング加工とは

ラップ研磨・ラッピング研磨加工はTDCで

ラップ研磨・ラッピング研磨加工は、均一に研磨できるといったメリットや、少しづつ製品を加工していくために時間が掛かってしまうといったデメリットもあります。

また、製品を丁寧に仕上げるためには、これらの特性を熟知していることがとても重要です。

株式会社ティ・ディ・シーは加工内容に合わせて加工方法や研磨材を選定することで、効率的に高精度を実現することが可能です。

ご希望の納期に合わせて納品が可能なほか、低価格でのご提供が可能です。加工における独自の技術開発とノウハウを蓄積しており、あらゆる形状にも対応可能となっております。

加工に関するご相談や基本的なお悩みも、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

どんな素材も研磨します。まずはご相談ください。
材料のご提案・調達 / 試験片製作 / 難削材 / 1点~量産 すべて可能です。

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(参考サイト:ラップ加工 – ラップ盤とラッピングに使われるラップ剤を解説

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