バルーンプロジェクト

NASA「バルーンプロジェクト」にTDC製作の精密部品が使用された事例

NASA「バルーンプロジェクト」にTDC製作の精密部品が使用されました

NASAのバルーンプロジェクトというのがありまして、気球に望遠鏡を載せて南極上空を飛ばして、重力波・電磁波を観測するというプロジェクトです。

ふわふわ浮かぶ気球に吊るされて、観たい方向に望遠鏡の向きを制御する機材の一部にTDCの精密部品が使われています。大変シビアな面粗さ・平面度の管理が必要で、かなり苦労しながら作っていますが、こんな用途に使われているのかと知ったらとてもうれしくなります。

ネットでバルーンプロジェクトが捉えたBlue Electric Cloudsという不思議な&美しい気象現象の動画を見つけました。

これは夜行雲といって、日の出前や日没後に、地平線の向こう側にある太陽が反射して雲が青白く輝くんだそうです。

テレビやネットニュースばかりみていると、暗いニュースや悲しい出来事が多いですが、ふと空を見上げると、悠々と雲が流れていたり、雲間に陽が輝いていたり、夜になれば星がきらめいたり。そういう天空を眺めるというのも良い時間だなと思います。

バルーンプロジェクトの望遠鏡に使用されたセラミック部品の超精密加工におけるこだわり

セラミック加工品イメージ

TDCの部品がバルーンプロジェクトに関わったといっても、それはとても小さな小さな部品です。

2008年にドイツで開催された展示会に出展していた時のこと、TDCのブースを見学したヨーロッパの企業の担当者の方に、「TDCの展示サンプルはピカピカと光った金属が多いけれど、セラミックでもできますか?」と聞かれました。

もちろんセラミックは得意分野ですので、大丈夫ですよ、とお答えすると、担当者は「この技術をもちいれば、自社の製品の精度を高性能化できる!」とすごく喜んでくださいました。その後試作品の納入・評価を経て、量産・リピートご注文を継続して頂いています。

お客様の製品は、わずかな電気を動きに変換する「アクチュエーター」です。直線的な動きの量をマイクロオーダーで精密に制御するために、究極に平らで滑らかなガイドとしてTDCの技術が役立てられています。

NASA「バルーンプロジェクト」とは

NASAがマサチューセッツ工科大学に560万ドルを助成し、約5年にわたって実施しているプロジェクトのこと。最新の望遠鏡を気球に乗せ、約4万メートル上空から地球に似た星を見つけるというものです。

望遠鏡の名前は「PICTURE-C」といい、重量約800kg・全長4m・幅1mという大きさとなっています。空中に定置するにはフットボール場ほどの大きさの気球が必要となり、観測時間もほんの数時間ほど。一定の時間が過ぎると、分解されてパラシュートで落下します。

バルーンプロジェクトは、地上からでは困難な観測を行えるという点が大きなメリットであるとされています。地上の望遠鏡による観測では、環境光や大気の揺らぎなどが邪魔となり、なかなかクリアな状態では観測できないといった欠点がありますが、この方法であれば大気圏の外縁に望遠鏡があるのでそれらの影響が少なく、クリアな観測が可能となります。

そのため、これまでの観測で発見できなかったものが観測できると、大きな期待を集める観測プロジェクトとなっています。

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