精密測定 | 測定方法の種類について
このページでは、ティ・ディ・シーで実施している精密検査、精密測定に関する基礎的な知識をご紹介します。
ティ・ディ・シーの表面粗さ・面粗度実績については、『表面粗さ・面粗度とは』『研磨加工で実現可能な精度とは?』ページをご確認ください。
Contents
精密測定とは
一般的に精密な加工技術を要する機械部品の寸法や形状、表面の凹凸などを加工中または加工後に測定・検査することを指します。
TDCで実施している精密測定
ティ・ディ・シーでは、独自の技術と長年蓄積したノウハウにより開発した「超精密ラップ・超精密研磨加工」を承っております。
加工の際には以下のような各種精密測定を行い、お客様が必要とする品質を保証したうえで納品しております。
- 面粗さ測定
- 平面度測定
- AFMによる表面粗さ測定
面粗さ測定
面粗さ測定では、加工物の「表面粗さ・面粗度」を測定します。
加工物の表面には、高さや深さ、間隔の異なる山や谷が連続した複雑な起伏が生じます。この起伏が大きなものを「うねり」といい、微小なものを「表面粗さ・面粗度」と呼びます。
この「表面粗さ・面粗度」は製品寿命や機械効率の向上、表面の光沢や手触りなどにも影響します。
そのため、とくに超精密加工の分野において「面粗さ測定」は、欠かすことのできない測定方法となります。
面粗さ測定には大きく分けて、「接触式」と「非接触式」の2種類の測定方法があります。
- 接触式
触針と呼ばれる先のとがったダイヤモンド製の針が試料を直接なぞることにより表面の凹凸を測定するもので、表面粗さ測定に広く用いられています - 非接触式
光を使用したもので、共焦点方式を利用したレーザ顕微鏡、白色干渉方式を利用した白色干渉計などがあります
弊社ではこの両者の測定器を所有しているため、あらゆる面粗さ測定にも対応が可能となっております。
平面度測定
ティ・ディ・シーでは、「他社にはない、より高精度な平面度」が求められる案件を数多くいただいております。
「三次元測定機」や「レーザー干渉計」といった平面度測定機を所有しており、お客様のご希望・加工物の仕様に応じ正確な測定をすることが可能です。
測定だけではなく、平面度の修正加工や各幾何公差の精度入れ加工、鏡面加工や試作品の製作なども合わせて対応が可能となっていますのでぜひお気軽にご相談ください。
AFMによる表面粗さ測定
AFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)とは、走査プローブ顕微鏡の一種となります。
微細な探針で膜の表面上をなぞるように走査を行い、試料の表面と探針の原子間にはたらく力を電気信号に変える事で表面の形状を観察します。
あらゆる物質の間に作用する原子間力を用いているため、導体、半導体、絶縁体など導電性に関わらず容易に幅広い試料を測定でき、ナノスケールで三次元的に計測が可能です。
TDCで所有する測定機器
ティ・ディ・シーにて所有する機器については、下記リンクよりご覧いただけます。
面粗さ測定・平面測定をはじめとした「精密測定・精密検査のみ」のご依頼もお受けいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
Webからのご依頼・お問い合わせ
その他の測定方法
精密測定には上述の測定方法のほか、主に以下のようなさまざまな方法が用いられます。
- 三次元測定
- 画像測定
- 輪郭形状測定
- 二次元CAD照合
- 三次元CAD照合
- 幾何公差測定
三次元測定
三次元座標測定機を用い、図面や3Dモデルに対する寸法測定を行います。
精密さが要求されるような小さな部品から大型な製品まで幅広く対応が可能で、業界問わずにデータが求められる測定方法のひとつです。
TDCでも対応が可能です。
画像測定
画像測定機と画像測定プローブを利用し、非接触による二次元測定を行います。
レーザーを用いた非接触の測定方法では、高さ測定、輪郭形状測定、プログラム自動測定、多点測定などが可能です。
三次元測定機のプローブヘッドに装着する画像測定プローブでは、大型サイズの印刷物やフィルム状の製品など、通常の画像測定機では測定不可能な製品の二次元画像測定を非接触でおこなうことができます。
輪郭形状測定
物体の表面をトレースすることで、輪郭形状を正確に測定します。輪郭形状測定機、三次元測定機、画像測定機、光学式3Dデジタイザのスキャニング測定を使用し、高度な解析を行います。
解析によって取得したデータを専用ソフトを使って計算処理することで、寸法の測定や座標算出といった細かな数値を割り出すことも可能です。
精密測定に関連して押さえておきたい単語・ワード
精密測定においては、以下のような単語がしばしば用いられることがあります。
- 誤差
測定値から「真の値」を引いた値のことを誤差と呼びます。「近似値」を誤差として取り扱います。 - 正確さ
偏りが小さいことを指します。真の値と測定値の平均との一致の度合いのことを正確さと呼ぶことがあります。 - 精密さ
ばらつきが小さいこと。真の値とは関係なく、測定値の一致の度合を示すものとして扱います。 - 精度
計測器が表す値、または測定結果の正確さと精密さを含めた総合的な呼称として「精度」といいます。 - 繰返し性
同一の測定対象の同一の測定量を、同一測定者が同一の測定器で短時間のうちに何回か測定を繰返し、個々の測定値が一致する度合いのことを指します。 - 再現性
同一の測定対象を測定条件を変えて測定を行った場合の、個々の測定値が一致する度合いのことを指します。 - 反復性
測定対象、測定器、測定条件などを一度変更し、はじめの状態に設定して改めて別の時期に測定をおこなった場合に測定値の一致する度合いのことを指します。
Webからのご依頼・お問い合わせ
関連ページ
- チャックテーブルとは?| 基礎情報と種類の解説・TDCでの加工精度
- 溶射後の研磨加工
- 表面処理/コーティング後の研磨
- 精密部品加工とは? | 加工方法の種類・加工事例
- 超純水洗浄
- ダイヤルゲージ
- SUS(ステンレス)素材のテストピース・試験片の製造・販売
- ウエハー(ウェハ)洗浄装置
- 鏡面加工・鏡面仕上げ(ミラーポリッシュ)
- ステンレスの鏡面加工
- アルミニウムの鏡面研磨加工・鏡面仕上げ(ミラーポリッシュ)
- プラスチック/アクリル/樹脂の鏡面研磨加工・鏡面仕上げ | 加工における注意点・加工事例
- ブルカー製「Dimension Icon」
- 半導体洗浄とは? | 洗浄の重要性と工程・洗浄装置の解説
- TDCで使用するMitutoyo(ミツトヨ)の測定器
- アルミの精密加工
- オプティカルナノゲージ
- タリサーフ
- タリロンド
- 精密洗浄
- 精密測定 | 測定方法の種類について
- TDCで使用するKEYENCE(キーエンス)の測定器
- 円筒研削・円筒研磨
- 金型加工
- 微細加工とは? | 基礎知識と加工方法の解説
- 研磨加工の種類
- 研磨加工で実現可能な精度とは?
- 研磨加工に用いられる記号
- 研磨加工の原理
- CMP研磨加工とは | 基礎知識・TDCでの加工事例
- ポリッシング研磨加工
- ラップ・ラッピング研磨加工