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表面粗さ・面粗度とは? | 基礎知識と測定方法の解説

このページでは、精密研磨や精密加工において重要な指標となる表面粗さ・面粗度についての基礎的な知識をご紹介します。

・TDCで鏡面仕上げをおこなった各材質の表面粗さ・面粗度の実績一覧
・TDCで実施している精密測定
もあわせてご覧ください。

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表面粗さ・面粗度とは

加工物の表面には、高さや深さ、間隔の異なる山や谷が連続した複雑な起伏が生じます。この起伏が大きなものを「うねり」といい、微小なものを「表面粗さ・面粗度」と呼びます。

表面粗さ・面粗度は加工品の精密さだけでなく、表面の光沢や手触りなどにも影響することから商品イメージ、商品ブランドを左右する一つの要素にもなっています。

特に超精密加工分野においては加工精度はもちろんのこと、高い表面処理能力が求められるため、この表面粗さ・面粗度が重要となります。

表面粗さ・面粗度の測定方法

表面粗さ・面粗度の測定方法には、大きく分けて触針を使用する「接触式」とレーザーなどによる「非接触式」の2種類があります。

接触式測定法

測定対象物に対して、触針の先端を接触させることで部品の表面の状態を測定する方法。触針の上下方向の変化・変位を検出し、表面粗さを記録します。
直接触れるため明確な形状波形が得られるほか、長い距離が測定できるといった特長があります。
表面粗さを評価、解析するための規格は「JIS B 0601(ISO4287)」となります。

非接触式測定法

触針の代わりに光やレーザーを用いて表面粗さを計測する方法が「非接触式」です。測定方法の原理の違いにより、非接触式には複数の測定方式があります。表面粗さに加え、形状の測定をおこなうものも多数あり、測定結果を三次元データ化しすることで「高さ」「平面度」「平面プロファイル」など様々な測定がおこなえます。

非接触式では、接触式の課題となっている触針の摩耗や対象物への圧痕、最小測定値の制限などが解決できることが大きなメリットとして挙げられ、測定時間の短縮や精度が高い測定結果も特長となっています。

表面粗さを評価、解析するための規格は「ISO 25178」となります。

表面粗さ・面粗度のパラメーター

表面粗さや面粗度は、測定内容によって異なる計算式(パラメーター)を用います。
表面粗さ・面粗度における代表的なパラメータは以下となります。

Ra

「算術平均粗さ」と呼ばれる高さ方向のパラメーターであり、輪郭曲線が粗さ曲線である場合の算術平均粗さを「Ra」と呼びます。
粗さ曲線の一部を基準の長さとし、その区間の凹凸状態を平均値で表します。
平均値を用いるため、1つのキズによる影響を受けにくく、表面粗さを評価するうえでは安定した結果を得ることができるパラメーターとなります。
「ISO 25178」ではSaと表記されます。

Rz

「最大高さ」と呼ばれる高さ方向のパラメーターとなります。
粗さ曲線の一部を基準の長さとし、その区間でもっとも高い部分と深い部分の和の値で求められます。
突出したキズの有無を確認することができ、Raと合わせて品質安定の指標のひとつになります。
「ISO 25178」ではSzと表記されます。

Rq(Rms)

「二乗平均平方根粗さ」と呼ばれるパラメーターです。
物体の表面の粗さには必ず山と谷があり、山側(高さ方向)の平均粗さ算出します。
「ISO 25178」ではSqと表記されます。

このほか、粗さパラメーターには以下のようなものがあります。

規格 ISO 25178 JIS B 0601-2001
(ISO 13565-1)
最大山高さ Sp Rp
最大谷高さ Sv Rv
最大高さ Sz Rz
算術平均高さ Sa Ra
二乗平均平方根高さ Sq Rq
スキューネス(偏り度) Ssk Rsk
クルトシス(尖り度) Sku Rku
空間パラメータ Sal、Str、Std
複合パラメータ Sdq、Sdr RΔq

表面粗さ・面粗度の必要性

表面粗さ・面粗度の測定は、加工の仕上がり状態や外観品質を管理するためだけでなく、製品寿命や機械効率を管理する上でも重要となります。

Ra/Rz/Rqといった表面粗さ・面粗度を計測することで、主に以下の機能性を知ることができます。

  • 外観・光沢
    光の反射の散乱やぎらつきなど、外観面。
  • 気密度
    接触面間の粗さは、隙間からの漏れなどに影響が見られます。
  • 肌ざわり
    手ざわりなどに影響があります。
  • 摩擦力
    接触面の引っかかる力。
  • 密着性・接着性
    パッケージや接着剤における最適な形状塗装・メッキのはがれにくさ。
  • 印刷品位
    紙のキメ・インクの乗り。
  • 騒音・振動
    高速で転がる面の振動。
  • はがしやすさ
    型と成型品のはがしやすさ。
  • 光学的性能
    光束の屈折の乱れや散乱。
  • 摩耗
    摺動時荷重集中による削られやすさ。
  • 疲労破壊・強さ
    応力集中による疲労破壊への強さ。
  • 接合面剛性
    接合面の荷重集中によるたわみ増加。
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