
CMP研磨加工
このページでは、CMP加工について解説しています。
加工液と砥粒を利用した、化学・機械的アプローチを行うため、それぞれの相乗効果により、製品の表面を滑らかにする加工方法です。
TDCで行っている研磨加工については、『研磨加工』ページも合わせてご参照ください。
CMP研磨加工とは

CMPとは「Chemical Mechanical Polishing(化学機械研磨)」の略で、研磨剤(スラリー)に含まれる成分による化学的な処理と機械的な研磨を同時に行う技術のことを指します。表面除去効果を増大させ、より平面で滑らかな研磨加工が可能です。
CMPの加工において利点としてあげられるのが、表面の粗さを原子レベルで調整できるということ。
またスラリーの組成を組み替えることで、例えば同一基板に存在している異質物をまとめて研磨することができますし、研磨したい材料だけ選択的に研磨するということも可能です。
用途としては、パワーデバイスやMEMSデバイス用のウエハ、SiCやGaNの難削材料の研磨など。半導体分野を中心に、多岐に渡って採用されている技術です。
TDCのCMP加工
TDCの精密研磨加工・超精密研磨加工では、ラップ研磨にくわえて精度や加工目的によって、CMP加工も取り入れています。
お客さまのニーズに合わせた最適な加工方法を弊社にて選択させていただきますが、CMPを用いた加工のご要望などにもお応えできるため、一度お気軽にお問い合わせください。
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TDCで扱うCMP装置
名称 | メーカー | サイズ | 数量 |
CMPラップ機 | 日本エンギス その他 |
φ18インチ~36インチ 【対応可能サイズ】 ~φ305mm程度 |
3台 |
CMP研磨を行う目的
CMP研磨は、主に以下の場合に用いられます。
- 平面化
半導体の信頼性や速度といった精密性を向上させる加工などに用いられます。 - 鏡面加工
ウエハーなどを原子レベルの表面粗さに加工する際や、スクラッチや突起、パーティクルなど表面欠陥の低減などに用いられます。
CMP加工の加工方法・加工原理
CMP加工は、一般的なポリッシングとは異なり、スラリー(液体の中に固体砥粒を混ぜ合わせた)加工液の化学的な作用による研磨表面の溶去と、スラリーに含まれる砥粒(シリカやアルミナ、ジルコニアなど)による機械的な除去を同時に行うことで、製品の表面をより滑らかにする加工技術です。
また、それぞれの相乗効果から研磨の速度や質の向上が見られるというのもその特徴としてあげられ、例えば、SiC基板・ウェハーの化学機械的平坦化などの精密機器の仕上げに採用される技術です。
CMP研磨の工程・流れ
- CMP用パッドの貼付け…ポリシング用アルミ盤にポリウレタンまたは発泡ウレタン製ポリシングパッドを貼り付けます。
- CMP用研磨剤の注水…CMP用研磨剤をポリシングパッドに浸します。
- 試料ホルダーの設置…対象物が固定された試料ホルダーを所定の位置に設置します。
- タイマーの設定…加工時間を設定します。時間は加工用途・目的によって異なります。
- 回転数の設定…研磨盤の回転数を50~80rpmに設定をおこないます。
- CMP研磨の開始…これまでの手順完了後、研磨を開始します。
- CMP研磨後の清掃…研磨剤は固まりやすいため、研磨終了と同時に水→アセトン→アルコール→水の順番に洗浄を実施します。
CMP加工はTDCで
CMP加工は、化学的・機械的なアプローチによる相乗効果で、製品の表面を滑らかにする方法となります。そのため、工法を熟知していなければ、製品に対して最適な加工ができないこともあります。
株式会社ティ・ディ・シーは、ご希望の納期に合わせて納品が可能なほか、加工における独自の技術開発とノウハウを蓄積しており、あらゆる形状にも対応可能となっております。
加工に関するご相談や基本的なお悩みも、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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