
ポリッシング研磨加工
ポリッシング加工に関する基礎的な知識をご紹介します。
TDCで行っている研磨加工については、『研磨加工』ページも合わせてご参照ください。
Contents
ポリッシング研磨加工とは
ポリッシングは、文字通り英語の「polishing」、つまり「研磨」を指します。
研磨加工の作業においてのポリッシングとは仕上げの研磨を意味し、遊離砥粒を用いた工程や固定砥粒を使って磨くこともあり、製品につやを出す最終的な磨きの工程をポリッシング加工と呼ぶことが一般的です。
また、ダイヤモンドポリッシングといって、ダイヤモンドスラリーと言われるダイヤモンドの砥粒を使用した方法も有名です。
TDCのポリッシング加工
TDCの精密研磨加工・超精密研磨加工では、ラップ研磨にくわえて精度や加工目的によって、ポリッシング加工も取り入れています。
お客さまのニーズに合わせた最適な加工方法をご提案
お客さまのニーズに合わせた最適な加工方法を弊社にて選択させていただきます。超高精度なご要望にもお応えできるので一度お気軽にお問い合わせください。
超精密な精度を実現するポリッシング技術
当社のポリッシングでは表面粗さ・光沢を出すだけでなく、超微量な除去によって超精密な精度を実現することも担っています。
ポリッシング加工の主な対応素材
金属 |
鋼材全般・超硬・ステンレス・銅・チタン・アルミ・モリブデン・タングステン・ニッケル・タンタルなど、その他各種金属 |
セラミックス |
アルミナ・ジルコニア・サファイヤ・シリコン・炭化珪素・窒化珪素・溶射など、コーティング面の研磨も可能。 |
結晶材料 | ガラス全般、シリコン、SiC(炭化ケイ素)、サファイヤ、GaNなど |
樹脂 | 各種エンジニアリングプラスチック、ポリイミド、テフロンなど |
※対応可能な材質の詳細はこちらよりご覧ください。
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ポリッシング加工の加工方法・加工原理
ポリッシング加工は、ラッピング加工と比較するとより高い精度が求められる繊細な方法となります。
工法は、機械研磨や化学機械研磨(CMP)などがあり、微細な砥粒や軟質なパットを用いて製品を磨き上げるため、スクラッチ・クラック・加工変質層を発生させずに鏡面加工を行えることが特徴です。
また、ダイヤモンドポリッシュと呼ばれるものもあり、これはダイヤモンドの砥粒を用いることで、加工能率(除去スピード)と表面粗さの両立が可能です。
ちなみに、光学分野におけるポリッシングという言葉は、表面を研磨するという意味と、仕上げる・清浄化するという意味を指すこともありますので、ご注意が必要かもしれません。
ポリッシング加工原理における3つの説
ポリッシング加工の主な加工メカニズムには、「微小切削説」、「表面流動説」、「化学作用説」の3つの説が唱えられています。
微小切削説は機械的、表面流動説は熱的、化学作用説は化学的な作用や効果との解釈がされており、材料や加工条件によっていずれかが強く作用すると考えられています。
また、これらの効果は単独ではなく、複合的に作用することの方が多いとされています。
微小切削説
研磨材である砥粒の破砕作用によって、加工対象物の出っ張った箇所を削り取りながら平坦化するという説です。
砥粒が加工物の表面に押し込まれると、砥粒との接触点では優先的に塑性変形が生じます。この現象は、とくに塑性変形しやすい金属材料の場合に常に発生します。
また、脆性破壊を主体とするセラミックスなどの非金属脆性材料の場合でも、砥粒が極めて小さくかつ押し込む深さが浅いときに塑性変形が発生します。
表面流動説
表面流動説とは、加工対象物の変形や工具との摩擦に伴う発熱により、接触点が高温軟化し溶融を起こすことで研磨が行われるという説になります。
流動層が加工対象物の表面に残留する切削痕や微細クラックを覆い隠すことで、表面が鏡面状態になるとされています。
化学作用説
化学作用説は、研磨材となる砥粒と研磨液、そして加工物との間に化学反応が起こり、生じた水和層を砥粒が除去して表面が滑らかになるという説です。ガラスの研磨メカニズムとして1930年代に提唱されました。
ポリシング液(水)の作用によりガラス表面に軟質のケイ酸ゲル層が生じ、砥粒の微小切削作用によってこの軟質ゲル層が除去されます。元のガラス表面が現れると、再び水の作用でケイ酸ゲル層が生成されます。このメカニズムの繰り返しで研磨が行われるという考え方になります。
CMP加工との違いは?
CMP加工とは、化学的研磨のことを指します。
一般的なポリッシングとの違いとしては、加工液を使用し化学的に製品の表面を溶かしつつ、シリカやジルコニアといった砥粒による機械的な研磨を同時に行うことで、より滑らかな研磨面を得る加工方法であるということ。
複合作用から相乗効果が得られるため、研磨の速度・質が向上します。また、加工の際の歪みが極めて少ないことから、半導体ウェハー表面の平坦化などにも使用されています。
ポリッシング加工はTDCで
機械研磨や化学機械研磨(CMP)といった工法を用いることからも、高い技術が求められる加工方法です。そのため、工法を熟知していなければ、製品に対して最適な加工ができないこともあります。
株式会社ティ・ディ・シーは、ご希望の納期に合わせて納品が可能なほか、加工における独自の技術開発とノウハウを蓄積しており、あらゆる形状にも対応可能となっております。
加工に関するご相談や基本的なお悩みも、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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