GaN(窒化ガリウム)の精密研磨加工 | 加工事例と素材の特徴・用途
このページでは、TDCにおけるGaN(窒化ガリウム)の精密加工事例と、素材の特徴・用途について解説をします。
TDCの超精密加工について、下記内容を記載したPDFカタログをダウンロードいただけます。
●表面粗さRa1nmを実現する超精密鏡面加工
●自社開発技術(高精度鏡面ロール・超精密鏡面金属箔・スペーサー/シムなど)
あわせてご覧くださいませ。
TDCカタログ
TDCにおけるGaN(窒化ガリウム)の精密加工例
TDCでは、GaNウエハおよびエピタキシャル膜の研磨実績があります。パワー半導体として用いられるGaN on Si、GaN on GaNウエハの研磨にも対応しています。
加工実績の概要は以下の通りです。
- 対応ウエハサイズ:〜6インチ
- 対応形態:GaNウエハ、エピタキシャル膜
- GaN on Si、GaN on GaN ウエハへの対応実績あり
- 小ロット対応:1枚から
その他材質についての精密加工の実績は、下記ページよりご覧いただけます。
・TDCの表面粗さ実績一覧
GaN(窒化ガリウム)とは
GaN(窒化ガリウム)はGa(ガリウム)とN(窒素)の化合物半導体で、「ガリウムナイトライド」とも呼ばれます。Si(シリコン)を第一世代、GaAs(ガリウムヒ素)を第二世代とする分類において「第三世代半導体」に位置づけられる材料です。
バンドギャップ(※)はシリコンの約3倍にあたる3.39eVで、高電圧・高温・高周波という動作領域でも安定した性能を発揮します。硬くて機械的に安定した結合構造を持ち、高い熱容量と良好な熱伝導性も備えています。電力損失を抑えながら小型・高効率な電力変換を実現できるパワー半導体材料として、近年急速に普及が進んでいる素材です。
※バンドギャップとは、半導体において価電子帯から伝導帯へのエネルギー差(禁制帯)のことです。この値が大きいほど絶縁破壊電界強度が高くなり、高電圧・高電力への対応とエネルギーの高効率化が期待できます。
GaNの用途
GaNは、スマートフォンやパソコンの充電器、電車のモーター制御、太陽光発電のパワーコンディショナーなど、すでに幅広い分野で採用されています。近年は電気自動車の車載充電器やAIデータセンター向けのサーバー電源へと用途が急速に拡大しており、今後も市場規模の成長が続くと予測されています。
パワー半導体GaN・SiC・Siの性能比較
GaNと同じく次世代のワイドバンドギャップ半導体として知られるSiC(シリコンカーバイド)、および従来材料のシリコンとの性能比較表を示します。
【GaN・4H-SiC・Siの性能特性の比較表】
| 物質 | GaN (窒化ガリウム) | 4H-SiC (シリコンカーバイド) | Si (シリコン) |
| バンドギャップ(eV) | 3.39 | 3.26 | 1.12 |
| 電子移動度(cm2/Vs) | 2000 | 1000 | 1350 |
| 絶縁破壊電界(MV/cm) | 3.3 | 2.8 | 0.3 |
| 電子飽和速度(cm/s) | 2.7×107 | 2.2×107 | 1.0×107 |
| 熱伝導率(W/cmK) | 2 | 4.9 | 1.5 |
参照元:東京エレクトロンデバイス株式会社
https://www.inrevium.com/pickup/gan-power-semiconductor/
GaNは絶縁破壊電界がSiの11倍、電子移動度・電子飽和速度の高さからスイッチング特性に優れ、急速充電器・スイッチング電源・高周波デバイスへの採用が広がっています。
一方、SiCは熱伝導率(4.9 W/cmK)がGaN(2 W/cmK)を大きく上回り、モーター駆動などの高耐圧・大電流用途に強みを持ちます。両者は用途に応じた棲み分けが進んでおり、求められる性能によって使い分けられています。
SiCの基礎知識について知りたい方は「SiCの特徴・用途 | 精密加工例」の記事をご覧ください。
GaNの精密加工はTDCまでご相談ください
GaNは硬く機械的に安定した材料のため、精密加工の難易度が高い素材のひとつです。
加工でお困りの際は、ぜひTDCにご相談ください。
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