【レポート】ナノテラス計測までの道のり(前編)/ 利用の手順や予約について

2024年4月9日ナノテラスが本格運用開始しました。

コアリションメンバー(参考:コアリションメンバーとは)に登録している当社も初日に早速計測をしてきました。私たちも初めての経験で、不安もありましたが、PhoSIC(光科学イノベーションセンター)のスタッフの皆さんや東北大学の先生方のご指導や仙台市のサポートのおかげで無事に利用することができました。
きっと利用したいけど、まずはどうしたらよいの?という方もいらっしゃると思います。

簡単ですが、今回経験した弊社の利用手順をお知らせしますね。

①まずは技術課題があり、これってナノテラスで測れるの?ということがよく分かりませんでした。
そこで今回、私はいきなりPhoSICにお問い合わせをしましたが、技術相談は、仙台市、宮城県、東北経済連合会でも窓口を設けていて、技術課題を相談すると、専門家につないでくれるサポートがあります。

仙台市窓口(シェアリング2000):https://www.city.sendai.jp/research/risakon/contents/sharing2000.html
宮城県窓口(産業利用クラブ): https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/shinsan/nanoterasu_kyogikai.html
東経連窓口:https://www.tokeiren-bc.jp/menu3/menu3-mfb.html

専門家の先生とマッチングしていただいて、自分の技術課題が測れそうか、そのビームラインが適切か、どのような測定サンプルをいつまでに用意すべきか、など何度か打ち合わせをして決めました。

②利用者申請
2024年4月現在では、利用者できるのはコアリションメンバーに限定されています。(メンバーは有料で施設を利用することが可能です。)
仙台市や宮城県もコアリションメンバーとなっていて、行政の窓口を通じて申し込むことができます。今回TDCは仙台市を通じて申し込みをしました。

利用申請をすると、後日利用承認の通知書が送られてきました。この時の承認通知書に「実験者ID」が書いてありました。

③当社は東経連「ものづくりフレンドリーバンク」に登録しているので、事前にPhoSICからご案内があり、ナノテラス予約システムに入るための申請も行いました。

④上記の①パートナーとなる専門家とのマッチング②利用者登録③予約システムの登録 が完了して、次は利用日時の予約申請をします。
この時希望を第一希望日~第三希望日を書いて提出しました。後日メールで今回の利用可能日時のお知らせが届きました。初日で申請したため第一希望が通りました。

⑤予約完了のお知らせのメールには、放射線業務従事者申請システムのご案内が書いてありました。

ユーザー利用ガイド – NanoTerasu | 3 GeV Synchrotron Radiation Facility in Japan

案内に従い、ログインします。マイページから放射線業務従事者または取扱等業務従事者になるための申請と教育訓練(e-learning)に進むことができます。e-learning受講後にはテストがあり、落ちたら計測できないのでドキドキしましたが無事に100点満点でクリア。

⑥いざ計測当日ナノテラスのエントランスは顔認証システム。⑤の放射性業務従事者システムで、マイページに顔認証用の写真登録を済ませてあればスムーズに入館できます。実際に行ってから実感したことですが、ナノテラスのセキュリティは厳重で顔写真登録がないとエントランスだけでなく、実験ホールにも入ることができないのでこの写真登録はとても重要です。

⑥いざエレベーターで実験ホールへ
宇宙基地みたいでかっこいいなぁ!と思いました。

⑦今回私はBL09UというビームラインでHAXPESという測定器を利用しました。
PhoSIC、東北大学の先生方にご指導頂きながら無事に初回の計測を終えることができました。

前編は以上です。

後編は、計測結果をまた後日ご報告したいと思います!
ちなみにナノテラスは、東北大学の青葉山新キャンパスの敷地内にあります。仙台駅から地下鉄で15分くらい。青葉山駅で下車後、徒歩だと15分。これからの新緑の季節には最高に気持ち良い散歩道なので、徒歩もおすすめですが、青葉山連絡バスに乗るとナノテラスの前まで行くことができますよ。aobayamashuttlebus_kakudai_j20240228.pdf (tohoku.ac.jp)

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