銅の特徴・用途 | 加工事例
この記事では、TDC(ティ・ディ・シー)による銅の研磨加工についてご紹介します。
研磨加工とは、ワークを「砥粒」と呼ばれる細かな硬い粒子に接触させたり、薬品に浸漬(しんし)させたりして、製品の表面の凸凹を取り除く加工のことです。研磨加工では、ワークの材質や加工方法に応じて、ミクロン単位での表面処理に対応できます。
研磨加工の基礎知識や、研削加工との違いについて知りたい方は、『研磨加工』の記事をご確認ください。
Contents
銅の性質・用途
銅は、さまざまな性質を有しているため、精密機器から日用品まで、幅広い用途で活用されています。
銅は、亜鉛を加えた「黄銅(真鍮)」、ニッケルを加えた「白銅」、錫を加えた「青銅(ブロンズ)」などの銅合金にして、新しい性質を付与する場合も多くあります。
ここでは、銅の基本的な性質についてご紹介します。
- 高い導電率と熱伝導率
銅は、金属のなかでも電気が通りやすく、熱の影響も受けやすい素材です。これらの特性から、電子機器の部品に多く採用されています。
- 非磁性
銅は、磁性をもたない金属のため、磁気の影響を避けたい電子機器や測定器などに活用されています。
- 優れた加工性と耐食性
銅は、展性、延性、切削性などに優れた金属で、銅線・銅板・銅パイプなどの製品に活用されています。
また、耐食性に優れているのも特徴で、車両・船舶部品や屋根板などの建築材にも採用されています。
しかしキズが付きやすい素材なので、精密加工を行う際には高い技術が求められます。
- 光沢がある
銅は、仕上がりに鮮やかな光沢が出せるため、キレイな外観が求められる製品に多く採用されています。
- 抗菌作用がある
銅は、銅イオンが水分に反応することで、細菌の増殖を低減する効果を発揮します。そのため、キッチン周りの排水口バスケットや、三角コーナーなどにも活用されています。
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銅の研磨加工の種類・方法
銅の研磨加工は、ラップ研磨・バフ研磨・化学研磨・電解研磨・CMP研磨が主に採用されています。TDCでは、ラップ研磨やCMP研磨をはじめとした研磨技術により、ご要望の銅研磨に対応いたします。
- ラップ研磨(ラッピング研磨)
ラップ研磨(ラッピング研磨)は、ラップ盤と呼ばれる円盤状の台にワークをセットし、研磨剤を流し込んで、上下から圧力をかけて研磨する仕組み。砥粒の選定や加工条件により、高精度な研磨が可能です。
ラップ研磨の基礎知識について知りたい方は『ラップ・ラッピング研磨加工』のページをご参照ください。
- バフ研磨
バフ研磨は、綿やフェルトで作られた円盤状のバフに研磨剤を付け、高速で回転させたバフをワークに当てて研磨する手法です。加工費が安い分、ラップ研磨に比べて精度に乏しいため、精度をそこまで重視しない場合に採用されます。
バフ研磨は、表面に細かい傷をつけて光沢を出すため、精度が求められる製品の場合は、ラップ研磨やCMP研磨を推奨します。
- 化学研磨
化学研磨は、ワークを処理液に浸漬し、化学反応を起こすことにより金属表面を溶かして研磨する手法。金属の凸部分が優先的に溶けるため、材料の表面が平滑化される仕組みです。
化学研磨では、光沢を出したい場合や、物理的な研磨では加工できない場所の研磨などに採用されるほか、微細なバリの除去にも効果があります。
一方で、ワークの凹凸が大きい場合は、平滑化するのが困難です。
- 電解研磨
電解研磨は、電解液に浸漬させたワークを、電気の力により溶解させて研磨する手法です。ワークを浸漬させて研磨するため、物理的には加工できない部分でも研磨できます。
しかし、キズや大きな凹凸を研磨するのは難しい傾向にあります。
- CMP研磨
CMP研磨は、化学的な作用による研磨と、砥粒による物理的な研磨を同時に行う手法。表面粗さを原子レベルで調整できるため、研磨の種類のなかでも、より高精度な研磨が可能な加工方法です。
CMP研磨の詳細については『CMP研磨加工』のページで詳しく解説しています。
TDCの銅の研磨加工の特徴
TDCでは、銅をはじめとした幅広い金属の研磨加工に対応します。なかでも、高い精度が求められる精密部品の加工を得意としております。
TDCの銅の研磨加工の強みや特徴は以下の通りです。
- ラップ研磨による精密加工
TDCは、高精度な加工が可能な「ラップ研磨(ラッピング研磨)」を得意としています。
ラップ研磨は、微小な砥粒が含まれた研磨材を用いてワークを研磨するため、一般的な砥石による加工に比べて、高精度な加工を実現します。
また、研磨量の制御に対応しているので、歪みやキズのない鏡面加工が求められる製品や、精密部品の加工に適しています。
- 短納期・特急対応が可能
TDCは、100台以上の研磨装置を所有しているため、大ロットの短納期対応が可能です。また、特急対応が必要な場合のご相談にも対応させて頂きます。
- 小ロットからでも対応可能
試作品や小ロット生産のご依頼もTDCにお任せください。
- 高品質かつ低コストの加工を実現
TDCで所有している100台以上の研磨装置のうち、約半数は自社製を採用。高品質な製品を低コストでご提供いたします。
- 豊富な加工機械による幅広い対応
TDCは、片面鏡面ラップ機、両面ラップ機、CMPラップ機などの加工機械を所有しており、ご要望の品質やコストに応じた研磨加工に対応いたします。
また、マシニングセンターやフライス盤などの加工機械を所有しているため、研磨加工以外の対応も可能です。
TDCの銅の研磨加工事例
TDCにおける代表的な銅の研磨加工事例を3点ご紹介します。
その他材質についての加工実績は、下記ページよりご覧いただけます。
>>TDCの表面粗さ・面粗度実績
銅の研磨加工事例①:「銅材 テストピース/試験片」
- サイズ:ご希望のサイズにて
- 加工内容:ご希望のサイズにて鏡面試験片を製作いたします。純銅~合金まで材質問わず対応可能です。
- 精度:Ra≦1nm(粗い面の製作も可能です)
銅の研磨加工事例②:「銅 長尺箔鏡面加工」
- サイズ:220 x t0.018 x 10M(サイズは任意にて対応可能)
- 加工内容:薄く、長尺状の箔を鏡面に仕上げます。材質にもよりますが、面粗さRa5nm以下で仕上げます。
- 精度:Ra≦5nm
銅の研磨加工事例③:「●●」
- 材質:銅プレート 平面度入れ研磨加工
- サイズ:400x500x10
- 加工内容:両面を研磨し平面度≦0.001、片面を鏡面に仕上げました。平面度に関しては、平面だけではなく、ご希望の凹凸の形状でも製作可能です。
- 精度:平面度≦0.001、面粗さRa≦1nm
銅の精密研磨加工はTDCにお任せください
銅は、メリットの多い金属ではあるものの、硬度はあまり高くないことから、高精度で研磨するには高い技術が求められます。
TDCでは、片面鏡面ラップ機、両面ラップ機、CMPラップ機などのさまざまな加工機械を有しているため、製品の仕様やコストに応じた研磨加工に対応いたします。
特に高精度な研磨加工を得意としているので、歪みやキズのない加工が必要な場合は、ぜひTDCまでご相談ください。
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